


MADE IN ITALYのハイセンスなイタリアンデザインが目を惹くMastroValvolaが日本上陸です。
独特のスラントシャーシは、デザイン性だけでなくワイアレスのテスト筐体にも使われる外来ノイズに強いシャーシです。
本機Attilaはバッファーとブースターの2 in 1。
まずトグルSWでバイパス時のバッファーのON/OFFが可能で、ONにして大音量でテストしてみてもOFF(トゥルーバイパス)とのサウンド差が分からない原音忠実なバッファーを搭載。
ここまで音が変わらないと常時ONで使用したくなるでしょう。
そしてフットSWをONにするとブースターが起動。
Volumeは0が原音とほぼ同じレベルのユニティゲインからスタートし、増幅のみに働きます。
Tone 12時がフラットセッティングですが、この設定でブースターをONにすると上も下も明らかにレンジが広がるフルレンジブースト。
高域に寄ったハイファイカラー強めのキャラクターではなく、高域はもちろん下も広がるので音楽的なワイドレンジです。
ブースト量はかなりの幅があります。メーカー公表値が見つかりませんでしたが、体感では20dB以上程度でしょうか。
そしてToneが単なるオマケでは無い所が一工夫。
かなりバランスを考えて設計されている印象で、値が0でも十分に抜けて聞こえ、且つ低域も飽和しません。
これはMarshall系アンプのようなブーストした時に痛い高域が飛んでくるアンプのブーストに非常に有利です。
痛い所の角だけを自然にロールオフすることが可能なので、キンキンにプレゼンスが出るアンプでも、
レコーディングコンディションの完璧な状態に調整されたかのような中域をアウトプットさせてしまう程です。
勿論、Toneを上げて行った時にもちゃんと低域の存在感のバランスが取れているので、
湿り切ったアンプのレンジをこじ開けたり、上が伸びないペダルへのブーストがOK。
高域方向に強いブースターは多数ありますが、Toneを絞った時に使えるブースターは希有。
前述のバッファー効果とこのブースターの2 in 1、効果てきめんなペダルボードがたくさんありそうです。
ちなみに回路はフルアナログ。
内部の組み込みもかなりきっちりしていて、技術力の高さが伺えます。
余談になりますがこのMastroValvola、日本正式入荷前に一通りの機種を弾く機会があったのですが、
中でも個人的に良いなと感じたのがこのAttilaとコンプレッサーのmillibar。あと日本での需要は少ないかもしれませんがトレモロのTremarella。
星の数ほどある海外ブランドですが、このブランドは光る要素があるのではないでしょうか。